国際鯨類研究所
令和5年(2023年)、NSSは和歌山県太地町に位置する国際鯨類研究所において、天井CLT建方工事に携わりました。鉄骨+CLTの混合構造による天井面に、合計14工区にわたってCLTパネルを取り付ける工事です。
現場の条件と制約
施工後もCLTが現しとなる仕上げのため、取り付け完了まで各パネルに養生を施した状態で作業を進めました。
施工手順にも特有の制約がありました。14工区すべてにおいて、CLT材は鉄骨躯体の建方前に搬入‧仮置きする必要があります。各工区の流れは次のとおりです。支保工の設置 → CLT材の搬入‧支保工上への仮置き → 鉄骨建方(別業者) → CLT取付(NSS)。この手順上、鉄骨建方業者との連携が必要な現場でした。

施工方法と工程
CLTパネルの取付方法は、支保工上に仮置きしたパネルを吊り上げ、鉄骨梁の下フランジにビス‧ボルト‧ダボで固定する工法を採用しました。パネルは下からの支持なく、構造への接合によって最終位置に保持されます。

工区ごとの吊り上げ調整
工区の進捗に伴い、既設の鉄骨柱が作業スペ スを狭めていきます。この制約に対応するため、チェーンブロック4個を使用した斜め吊りを採用し、鉄骨梁の勾配に合わせて吊り位置を工区ごとに調整しました。

目地精度の管理
現し仕上げのCLTには、パネル間の目地を均等に揃えることが求められます。取付前に実測した鉄骨スパンをもとに目地幅を事前に検討し、14工区全体で均一な間隔となるよう、微調整を繰り返しながら施工しました。
NSSが担った役割と提供した価値
本工事においてNSSの担当範囲は、天井CLT建方に関わる施工全般です。パネルの搬入‧仮置き管理、鉄骨建方業者との工程調整、そしてパネルの取付‧固定まで担当しました。揚重機械(70tラフタークレーン)は専門業者が担当しています。
NSSの貢献は2つの面にあります。ひとつは、CLT取付に伴う揚重作業の実施です。工区が進むにつれて既設の柱や梁が増える中、チェーンブロックによる斜め吊りと吊り位置の工区ごとの調整によって、各パネルを所定の位置に取り付けました。揚重は危険を伴う作業であり、NSSはこの分野の知識と経験をもとに対応しました。もうひとつは、14工区にわたる工程全体の調整です。仮置き‧鉄骨建方との連携‧現し面の養生‧目地管理を並行して進め、工事を完了しました。


CLTを扱う技術は広く普及しています。それでも、多業者が交差する複合構造の現場で、養生‧精度‧工程調整を同時に管理しながら施工を進められるかどうか——そこにNSSの経験が活かされます。


